トレーサビリティとは
トレーサビリティとは、トレース(Trace:追跡)とアビリティ(Ability:能力)を組み合わせた造語です。したがって、日本語では「追跡可能性」となります。 自動車や電子部品、食品、医薬品などの業界によって定義は多少異なりますが、水産業では、魚介類を漁獲する漁場や養殖場、生産者、陸揚げする漁港、水産加工場、そしてお魚屋さんや飲食店など至るまでの生産・流通履歴について、経由した日付とともに表示できることをトレーサビリティと言っています。そのために、近年では、ICTを活用して、お魚にカードやICタグを付けて、トレーサビリティ情報を蓄積したり、情報を蓄積した記憶装置にアクセスし、表示するシステムが実用化されています。
歯舞漁協では、歯舞水産物地方卸売市場で取引されているミズダコのうち、厳しい基準(10kg以上の活タコを漁業者自ら選別し、餌をはかせるため沖に一晩おいてから陸揚げした後、水温4℃の蓄養水槽で鮮度保持)によりブランド化を図っている「金たこ」を水揚げから加工、販売までの生産流通履歴を表示する水産物トレーサビリティの実証実験を行っています。
トレーサビリティで何か期待できるか
歯舞漁協で、取り組んでいる金たこのトレーサビリティを行うことで、次のような効果を期待しています。
- いつどこで誰が漁獲し、水揚げしたのか。そしてどこの水産加工場で加工され、販売店で販売されるかの履歴を消費者に知らせることにより、金たこの付加価値を高める。
- これらの行為を、HPに開示し、フェイスブックやツイッタ―で情報が拡散することにより、金たこのブランド名を拡散することができる。
- 金たこがの生産から加工流通経路を公開することにより、その金たこが、密漁ではない、歯舞漁協の漁獲物である、北海道及び歯舞漁協の漁業の取り決めの中で生産した物である等の証明が出来る。その結果消費者に安全と安心を届けることができる。